虚勢

僕は友達が少ない。

ラノベのタイトルを言っているわけではなくて、僕の人生ありのままを表すとこういうことになります。

 

小〜中学生のときの友人はそこそこいたかもしれないけど大人になってから会うほどでもなく。

 

高校のときはゲーム友達がいたけど、クラスでは陰キャ集団として2軍扱い。卒業後に同窓会が開かれましたが、周辺にいた人たちはほぼ不参加だったことからどういう雰囲気だったかは想像に難く無いかと思います。

 

大学では一念発起して入会したフットサルサークルの歓迎会で何故か自分以外のほとんど全員が顔見知りという状態だということを知り、自然と輪から外れてフェードアウト。それ以降、ゼミにも入らずただただ単位を取るだけで就職活動もせずに卒業しました。

 

そのあとフリーターとして数年ぼんやり過ごしている中で、地元のゲーセンで交流ノートをきっかけに知り合った人たちとは割と仲が良かったかもしれませんが、そのゲーセンが潰れたことで彼らも自然と集まらなくなり自然消滅。

 

この時点で振り返ってみれば、自分は一人の方が楽でいいんだ、自分の方からコンタクトを取って仲良しの状態を続けていく労力は人生においてコスパが悪いことだ、何もしなくてもそばにいてくれる人こそが本物の友人であり逆にそういう人以外はいらないんだ。

みたいなことを考えていたんじゃないかと思います。厨二ですね。

 

そんな人生を送っていたなか、某ゲームメーカーのウェブサイトにあったファン掲示板で定期的に書き込みなんぞをしてコテハンを名乗りつつ他の書き込み常連さんとも掲示板上でレスポンスのやりとりをしていたところ、オフ会というものに参加することになりました。

 

ここである意味、人生の分岐点を迎えたと思います。

 

それからあれやこれやあって、そこで出会った数名とは今でも付き合いが続いています。

 

それもしょっちゅう顔を合わせるとか電話するとかでもなく、例えば夏と冬のコミケのときや、自分が旅行に行った先で都合があったときとか、そういう年に1回あるか無いか程度でも久しぶり!みたいな大袈裟な反応でなく「おっす、どうよ最近?」程度のごく軽ーい感じで挨拶から始まることのできる関係。

 

学生時代では酸っぱいブドウのように見えていた友人付き合いというものが、大人になりごく自然にできていました。

 

……が、それは別に僕が自分で考え方を変えたからではなく。

周りの人が適度に僕のことを見ていてくれたからだということに、しばらくしてから気付かされました。

 

上記の掲示板フレンズの一人に、遠方にいてなかなか実際に会う機会が少ない人がいたのですが、僕に対してこんなことを思っていたということを人伝に聞いたからです。

 

「あいつは放っておくと自然にいなくなってしまいそうだと思ったから繋ぎ止めるようにした。そうしておいて正解だった」と。

 

はっきりいって自分よりも面白い仲間はほかにいっぱいいたし、自分でも自分と仲良くなることでそんなに楽しいことはないんじゃないかという自己肯定感の低さを学生時代からずっと引きずっていきていたわけで、そんな人間を引き止めようと考えてくれていたと知って感動というか……そんなこと考える人が世の中にはいるんだなあ、と謎の感心をしてしまいました。

 

彼は僕と同級生でしたが、僕がフリーターやらニートやらやってるときには既に働いていて、一人暮らしもしていて、面倒見の良さと根っからの陽気さを持ち合わせていて、同い年なのにこうも違うのかと思わされつつ尊敬の念を抱いていました。

 

そんな彼が昨日亡くなりました。

 

10年以上会ってなくて、でもまたそのうち会えたら以前のように軽い感じで挨拶でもしてくだらないトークに花を咲かせることができるだろう。

とか思ってたのが間違いでした。

 

訃報を聞いて涙を流すわけでもなく、ただただ溜息が口から出るばかり。

 

何やってたんだろう、自分は。そんなことしか頭に浮かびませんでした。

 

結局、自分という人間はいつまでたってもこんなんでした。
ごめん。

明日か来月か何年後か何十年後かわからないけど、次にあったら説教してもらおう。

 

それまでにはもう少しマシな人間になれるよう頑張るわ。

じゃあね。