2007/07/11のラノベ

カレとカノジョと召喚魔法 [上月 司] 読了。 先日書いた通り、お店に5巻までしかなくて帰宅してから6巻の存在を知り慌てて通販で速攻ポチったのですが……いや、我ながらその判断は正しかったわ。 もし5巻までしか手に入れられなかったとしたら、悶々として寝不足の夜を過ごすことになっていたこと請け合い。それくらい5巻と6巻の繋ぎは、間をおかずに読みたいと思わせる引っぱり加減でした。 そもそもこの本がどんなお話か、というのは適当にあらすじでも読んで貰うとして、ミステリ+ファンタジーとでも言うのかそれとも知略バトルなのか、上手い言い方が見つかりませんが、天使や悪魔がぽんぽん出てくるような半インフレ気味の世界にあって、普通の人間よりは遙かに上だけどメインキャラの中では並以下という立ち位置のヒロインが、主人公の駆使する権謀術数で常に舞台の上でライトを浴びている――そんなストーリーです。この文を書いてる私もよくわかりません。 平たく言えば主人公の遊矢は頭脳労働、ヒロインの雪子は肉体労働。 得てして頭脳派キャラの振る舞いは、神=作者の都合によって決められた通りの動きをなぞっているだけのような嘘っぽさが見えてしまうことがありますが、遊矢の場合は作者にそうなるような世界を作らせているのではないか、と思わせるほど数十手先を見ることが出来ます。 つまり第1巻の1ページ目をめくった瞬間から、遊矢は最終巻のラストまでに至る道筋が見えていたということに。私たち読者が読み進めるにつれて知っていった彼の秘密は、最初から最後まで順を追うことでようやく見えてくるもの。 だからこそ、この本は一気にまとめて読むのがベストなんだなぁ。 最終巻の演出――ぶっちゃけ「日記」なんですが、あーゆうの弱いんですよ。 そしてラブストーリーとしての結末もしっかりと見せてくれて、満足な6冊でした。 現行作のれでぃ×ばと!も、うっかりバトルものに移行しないかハラハラしつつ、ちょっぴり期待しちゃいます。