2007/01/29の日記

独りラノベ祭り。 私のKnightになってよネ!(3)[佐藤了/石田あきら] オビの「完結編」という三文字にまるで気付いてませんでした。最近はどんな駄ノベでも平気で5~6巻以上続いたりするから安心してたのですが、こいつは悔しい誤算って奴だ。つまりただの誤算だ。 一応、裏表紙に書かれている言葉をそのまま信じるならばこの作品は「ジェットコースター・サスペンスノベル」だそうですが、サスペンスかどうかはともかく随分と美味しい場面をすっ飛ばして書いちゃったなぁという印象。 中盤に登場するラスボスらしきキャラの見所はほぼ皆無。最強設定の主人公もそれほど暴れ回った印象が無いままに幕が閉じてしまった感じです。あえて『創竜伝』を持ち出してみると、あっちは単体でも充分魅力的なキャラが常人ではとても切り抜けられない困難を超パワーでもって中央突破するのが爽快なのです。 んでこの作品の主人公も、設定上それに等しい能力を持っているのにも関わらずカタルシスっちゅーもんが無いのは、物語の焦点がヒロイン・恭子を取り巻く人間関係に当たっていたからなのでしょう。 可愛がっていたペットが死んでしまった。信じていた人に裏切られた。好きな人が離れていく。 そんな状況を重ねていくことで人間ドラマを描いていこうとしたんでしょうが、いかんせんそっちの色が濃いためにせっかくのファンタジー設定が薄れてしまっていたような。 別に主人公らにあんな『血』の能力云々なんて要らないんじゃね? 逆に、あと2冊分くらい時間を使って敵との死力を尽くした全面抗争や、主人公と離ればなれになっても希望を失わず自らの力と見つめ合える様に人間的成長をする恭子とか、そんな場面をもっと見せてくれたら感情移入出来たんじゃないだろうか。 そんなことを言いつつ、ラストの恭子のセリフで全部許せる気がします。 締めは王道で。 きゅーきゅーキュート!(3)[野島けんじ/武藤此史] リンク先の表紙絵を見て、銀ちゃんだと思った人。 正常です。 ちなみに扉絵はウサ耳+両手でニンジンを掴んで齧る銀ty……キュートのイラストです。 なんとなくウサ耳装備のプリ絵@ROな同人誌を読んでる気がしてきましたが気のせいです。 さて中身ですが、新キャラは3人ほど出てきますがどうでも良いです。 ヒロインのキュートと、そのすぐ上の姉でありライバルのスイートも影が薄いです。 じゃあ誰が良かったかって、死霊使いにして男性苦手な巴に決まってるじゃないか! もちろんおかっぱ髪なところもポイントだ。 男への苦手意識よりも怪物への恐怖が勝って泣きながら裾を掴んで歩く小柄なおかっぱ娘の姿を想像した日にゃあ、特製テレカが一気に3枚ぐらい貰えそうな程、俺ポイントがバシバシと加算されていきます。 なんかもう、ヒロインは巴で良いじゃん。 暗闇にヤギを探して[穂史賀雅也/シコルスキー] 暗闇にヤギを探して(2)[穂史賀雅也/シコルスキー] amazonでのレビューではあまりいい評価じゃないけど、私はかなり好きですよこれ。 「ごめんなさい、おいしかったです」と書かれた謎の手紙……という掴みから、一捻りあるかと思わせておいてそのままだった事件解明、そして着ぐるみ+暴力+幼馴染みという明らかに無茶な足し算をしてしまったサブヒロインなど、「なんだこれは」と思わせるには充分な世界を作っています。 もちろん重要なヒロインの可愛さという面も合格点。 やっぱり女の子が美味しそうに何か食べてる姿ってのは和みますなぁ。それが何であれ。 そして恋愛模様も、王道・忍愛・直球と各種取り揃えております。 個人的に中学二年・14歳という単語を見た瞬間にまひるを推したくなりますが、ミリオン先輩がここからどれほどまでにデレるのか。そして風子がいつ身も心もキャストオフするのか。 今後が楽しみな作品です。 さーて次は狼と香辛料読むぞー。