バカと予測とエレベーター

我が家はマンションのある程度上部にある階の一室なのですが、朝の7時50分くらいになると自分を含めた出勤者や登校する子供たちなどが、ほぼ各階でエレベーターに乗ってきます。

そうすると、いつもなら数十秒で1階まで到着できるはずが下手をすると2分近く(体感時間では5分くらい)を費やしてようやく地上に到達できるのです。

そんな貴重な時間を左右する朝のエレベーター、当然もっとも効率的な乗り方を選択する必要があるわけで、普通なら「自分が乗るフロアに一番近くかつこちらに向かって移動している」箱を選択するのがセオリー。

たとえば自分が乗るのが10階で、エレベーターAは1階に停止中。エレベーターBは18階から下に降りている途中。 となれば、Bのボタンを押すのが通常の選択です。 もちろん押すタイミングによっては素通りしてしまう可能性がありますが、そのときはAのボタンを押せば良いだけのこと。

ところがこれはAとBのボタンがそれぞれ独立している場合で、ウチのマンションは通常のボタンは共通しています。

つまりとりあえず上か下のボタンを押しておけば、そのときの状況に応じて早い方が到着してくれるというわけ。

しかしさらにここでもう1つ問題が。

片方のエレベーターは車椅子用の大型の箱で、そちらは専用のボタンが別に付いている。それを押すとどうなるかというと「通常ボタンよりも優先して呼び出しを行われて到着する」のです。なので、どうしてもそちらのエレベーターを利用しなければならない人向けの、というか必要がある場合以外では押すべきでないボタンなのですが、困ったことに子供と年寄りは何も考えずに全てのボタンを押す癖があります。

するとどうなるか。

通常ボタンで呼び出されたエレベーターAに人が乗り込み移動を開始した後、車椅子用のボタンで呼び出されたエレベーターBが無人のフロアに到着するという、実に実に実に無駄な時間が発生するのです。

朝の一分一秒を争うサラリーマンにとって、このタイムロスは非常に厳しい。  

ここでふと思い出したのが、若い子たちは想像力や先を予測する力に欠けているという話。

イジメなどで他人にしていることを逆に自分がやられたらどんな気持ちになるだろう、とか。 避妊せずにセックスして赤ちゃんが出来たとしてその後どうやって生活するのだろう、とか。 無職のままずっと引きこもり続けてとして親や親類が死んだらその後はどうするのか、とか。 ムシャクシャしたからというくだらない理由で人の命を奪ったらどう償えばいいのか、とか。

ヒトとケダモノを分ける上で最も大切な要素である、「想像する」「予測する」チカラの大きさというものが欠けてきているのではないか、と思うわけです。  

これは先のエレベーターの話にも当てはまるのではないか。

どちらのボタン押せば早く着くか、このボタンを押すと後で他の人に迷惑がかかるのではないか。

そんなことを「予測する」チカラが今の人に足りないのではないかと考えるのです。

      まあそんな大層な話じゃなくて、単によくわからんからどっちのボタンも押す、ってのが正解なんでしょうけどね!

今朝なかなかエレベーターが来なくてイライラしたときに考えついた話でした。

ちなみに、エレベーターの挙動を制御するアルゴリズムはメーカーごとに違うんですって。

http://www.nttcom.co.jp/comzine/no090/newdragnet/index.html

「研究の結果、人がエレベーターを待っている間に感じるイライラ感は、物理的な待ち時間の二乗で増えていくことが分かりました。そこで、満員による通過確率、乗車時間、混雑度などにおける心理を数値換算し、その和が最小になることを目指したのです」

よくわからんがすげえ。